『東京オリンピック特集』人気ブランドが手がけた公式ユニフォーム対決!遊び心いっぱいのイタリアンファッションの結果はいかに?

開会式などで選手やスタッフが身に纏うユニフォームや衣装は、オリンピックを華やかに彩る目玉の一つです。

 毎回、どのブランドやデザイナーが手掛けているのかということが、ファッション業界だけではなく、マスコミでも話題にのぼります。

 その中でも、「ピザなの!?」「宅建のマークなの!?」

今回のオリンピックで、さまざまな憶測を呼んだユニフォームがあります。日本へのオマージュを取り入れながらも、遊び心いっぱいのデザインでSNSを沸かせた、イタリアチームの公式ユニフォームです。 

SNSで話題! 斬新すぎるイタリア選手団のユニホーム

東京オリンピックイタリア選手団ユニフォーム

 東京五輪の開会式が始まると、SNSのトレンドワードには開会式関連の言葉がずらりと並びました。そんな中、ツイッターで大きな反響を呼んだのが、「イタリア」という言葉!

 「イタリア」という文字を見たら、調べてみるしかありませんからね。イタリアの国旗色である緑、白、赤の3色を、日の丸のような形にしたユニホームで入場したイタリアの選手団。

このマークに関して、著名人や若者からのツイートが相次ぎ、このユニホームが話題となっていたのです。

さらに、背中に書かれた「ITALIA」の文字。なんと、縦書きなのです!

筆文字のフォントで書かれているうえに、「T」の文字は日本の鳥居の形を想起させるデザイン。シンプルなデザインながらも美しいシルエット、それでいて遊び心に満ち溢れたデザインには、“脱帽”の一言でした。 

イタリアのユニフォームをデザイン 「EA7」とは

 この遊び心あふれる斬新なユニフォームをデザインしたのは、「EA7(イーエーセブン)」というブランドです。初めて名前を聞いた方も多いかとは思いますが、「EA7」は、エンポリオ・アルマーニ(Emporio Armani)のスポーツラインという位置づけのブランドです。

エンポリオ・アルマーニは、モード界を牽引する大御所ファッションデザイナー、ジョルジオ・アルマーニ率いる「ジョルジオアルマーニ」の、セカンドラインなんですよね。

 日本では、EA7単体の店舗は存在しませんが、イタリア国内でも単体の店舗は数少なく、エンポリオ・アルマーニの直営店内で販売されているケースが多いです。

ウィンタースポーツ・アウトドア・トレーニング・ウォータースポーツ・テニス・ゴルフ・バスケットボールの7つのスポーツ要素を取り入れ、機能性かつデザインを重視したスタイルを提案しています。

EA7で展開しているウエァは、どれもエンポリオ・アルマーニの遊び心があり洒落感がある魅力を余すことなく発揮しているんです。ミラノの店舗でEA7のラインナップを手に取ったとき、普段スポーツをやらない私でも、体を動かしたくなってしまいました。そんな気持ちにさせちゃうファッションの力って、不思議ですよね。

意外なブランドが手がけたユニフォームも!各国のオリンピック・ユニフォーム

 イタリアのデザインが大きな話題になりましたが、他の国々も負けてはいません。

 世界の有名ブランドが手がけたオリンピックユニフォームについて、いくつか紹介していきましょう。 

アメリカ/RALPH LAUREN

東京オリンピックアメリア選手団ユニフォーム

 チームUSAの開会式パレード用ユニフォームは、ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)が手がけました。

 クラシカルなアメリカンスタイルの各パーツには、サステナブル素材を取り入れているのが特徴です。1970年代のアメリカの、ちょっと野暮ったい大学生を思わせるようなブレザースタイル…

そこに、サステナブル素材を取り入れたミックススタイルが、アメリカらしさなのでしょう。

さらに、アメリカ選手団の肌着やパジャマ、ラウンジウェア類を担当したブランドは、キム・カーダシアンがプロデュースする補正下着ブランド、スキムズ(SKIMS)です。

 肌着やパジャマ、ラウンジウェア類まで、公式にデザインされたものがあるなんて、ちょっと驚きませんか? 

スウェーデン/ユニクロ

東京オリンピックスウェーデン選手団ユニフォーム

 今回、スウェーデンの公式ウェアを製造したのは、何と日本の企業の「ユニクロ」です。

素材には「ドライ EX」「ウルトラストレッチ」「エアリズム」「UV カット」など、ユニクロの高機能素材がふんだんに使用されています。スウェーデンの国旗色のブルーとイエローに加え、ライトグレーをメインカラーに採用したウェア類は、若々しくはつらつとした印象を受けます。 

回収ペットボトルからリサイクルした繊維を一部に使用したほか、素材ロスを最小限にする編み製法を採用するなど、環境に配慮した取り組みがいっぱいです。3大会連続で「H&M」がスウェーデンのユニフォームを手掛けていましたが、今回は「ユニクロ」が製作しました。

シンプルに暮らすことを楽しむ、スウェーデンのお国柄が表れているデザインなんですよね。

フランス/ラコステ

東京オリンピックフランス選手団ユニフォーム

 フランス代表のユニフォームは、「ラコステ(LACOSTE)」が手がけました。ラコステは2014年のソチオリンピックからフランス代表選手団の公式ユニフォームを手がけていて、今年も抜擢されました。

定番のポロシャツやライトジャケット、パンツ、スニーカーなどが、フランスらしいシックなトリコロールカラーでまとめられています。さらに、ラコステを象徴する、胸元にあしらわれているワニのシンボルマーク。

そのシンボルマークのワニが、フランスの国旗のトリコロールカラーで彩られていることが特徴です。いかにもフランスらしい、エッセンスの効いた小粋なデザインになっていました。 

ウケ狙い?本気? 日本のスタッフ衣装

トレイベアラー/東京オリンピック

 余談ですが、表彰式でメダルやギフトを運ぶトレイベアラーなどの衣装には、暑さ対策など洋装の機能性を兼ね揃えつつ、和装の伝統技術が取り入れられていました。その見た目に、唖然とした方も多かったのではないでしょうか。甚平っぽいデザイン、くすんだ藍色のカラー…

SNSでは、「まるで居酒屋の店員」「運ぶのは“メダル”ではなく“お通し”」などといった言葉が飛び交いました。「生ビール、お待たせしました~!」といった雰囲気です。

それでも、デザインの賛否はさておいて、日本のデザインの遊び心にも脱帽でした。 

オリンピックファッションがバイヤー魂に火をつけた

 今回オリンピックのユニフォームや衣装を見て、遊び心あふれるイタリアンファッションを、もっともっとみなさんにお届けしたいという気持ちが、さらに高まってきました。

何かと暗い話題が多いときですが、だからこそ、イタリアンファッションで、みなさんを明るくしたい。そんな思いで、これからも素敵なイタリアンファッションを、たくさん提案していきたいと思います。

 

イタリアンファッションを知る。本当のイタリアンファッションはコーデが原点