コロナで脚光をあびた「オンラインシフト」イタリアンファッションの現状と今後とは?
みなさんは、“オンライン活動”していますか?
“オンライン会議”“オンライン授業”“オンラインデート(!)”ここ1~2年の間に、こんな言葉をよく耳にするようになってきましたよね。
実際に行ったり、会ったりしなくてもよさそうで、一見すると便利そうに感じてくる言葉です。しかし、この“オンライン”という言葉が一般的になってきたのは、コロナによるものなのですよね…
コロナ渦であるイタリアの生活について
イタリア全土におけるコロナ新感染者数は、今年の3月から減少の一途を辿っています。
6月21日からは外出禁止時間帯がイタリア全土で撤廃されて、イタリア人たちは時間を気にせず外出ができるようになりました。
ショップはもちろん、レストランも通常通りの営業が行われるようになり、屋外だけでなく室内でも、陽気なイタリア人たちは友人や家族との楽しい時間を過ごしています。
マスクの着用は引き続き義務付けられているので、スーパーやショップなどの屋内ではみんなマスクを着用しています。
しかし、現時点でワクチンを一度接種した人の数が全国民の50%を超え、2回目の接種を終えた人も25%を超えているせいか、屋外ではマスクを外して歩いている人の姿を多く見かけるようになりました。
久しぶりに会った人や親しい人と会った陽気なイタリア人たちは、キスやハグを行っていて、コロナの恐怖に怯えているそぶりを見せていません。
コロナ渦であるイタリアファッションの現状について
国民生活の緩和とともに、イタリアンファッション業界も活気を取り戻してきています。対面での見本市の開催も可能になり、6月30日から7月2日にかけては、フィレンツェで世界最大級のメンズファッション見本市ピッティ・ウオモが開催されました。
期間中には、海外から約1,200人のバイヤーが、会場に詰めかけたそうです。そんなニュースを聞くと、買い付けに行けない苛立ちと焦燥感に駆られてくる私です…
それでも、感染者数の減少のニュースで、買い付けに行ける日々が近いのかと思っていた矢先に、飛び込んできたのが“デルタ株感染拡大”のニュースです。
最近では、イタリアの感染者全体のうちの20%近くを、デルタ株が占めるようになってきてしまっています。実はイタリアは、人口が日本の約半分にも関わらず、コロナの推計感染者数は日本の約8倍にもなっているのです。
イタリア人の方たちは、そんな状況を楽観視しているのかもしれませんが、まだまだ予断を許さない状況が続いているということです。皆様に素晴らしいイタリアンファッションをお届けし続けるには、自分自身の健康が第一ですよね。
今は、我慢のしどころなのかなと思います…
コロナ渦のイタリアンファッションのバイイング
コロナによって、バイヤーの働き方も大きく変わってきました。直接海外に買い付けに行けなくなってしまい、オンラインバイイングが中心になってしまっています。
イタリアへの主要な航空会社は軒並み運休状態が続き、再開時期が未定という航空会社が少なくありません。
私の大好きなアリタリア航空でさえ、現在は「羽田―ローマ間のみ・1日1便で週5日」という、信じられないような本数の少なさです!
さらに、成田からの発着便はありません…「“美食の国”イタリアですよね…」と疑問を感じるようなイタリア発便の機内食、普通の制服なのになぜかセクシーに見えちゃうCAさんたち・・・。
陽気な国民性だからこそ許されちゃうアリタリア航空、早く乗りたいものです。しかし、オンラインバイイングには、メリットもあるのです。
6月の下旬に開催された2022年春夏シーズンのミラノ・ファッションウィークでは、〈Dolce & Gabanna(ドルチェ&ガッバーナ)〉 〈Giorgio Armani(ジョルジオ アルマーニ)〉 〈ETRO(エトロ)〉 の3つのメゾンのみが対面式のショーを行いました。
その他のブランドは、デジタル形式などで新作を発表しました。それでも、新作を発表するだけではないところが、イタリアンファッション業界のすばらしいところです。
それらのブランドや新作の魅力を発信するために、各ブランドのコレクションルックからデザイナーインタビュー、バックステージなど様々なコンテンツを公開してくれたのです。
これらのブランドに限らず、対面での商談ができないために、情報をたくさん提供してくれるブランドが増えてきて、非常にバイイングの参考になっています。
【まとめ】
あれよあれよという間に、ノーマルな日常に急速に戻りつつあるイタリアです。コロナによってイタリア国内でも少し元気がなくなっていたイタリアンファッションですが、歴史と伝統のあるイタリアンファッションはそんなことではへこたれません。
今の時期にイタリア国内に比較的気軽に入国できている外国人は、EU圏内の人たちぐらいとなっています。
それでも、この状況にへこたれることなくオンラインで情報収集に励み、イタリアに直接買い付けに行ける日を心待ちにしたいと思います。